人が持っている本当の価値は一人で孤独に集中してこそあぶり出される

ノート

「人の価値は、その人の葬儀に何人の人が参列をし、どのようなことを参列者が話したかで決まる」と先輩経営者や世間的には成功者と呼ばれるような人からよく聞いた覚えがある。

人の価値を考えるとき、ことビジネスの現場では、仕事ができる人には高い価値があり報酬も高く、仕事ができない人や誰でもできる仕事をやる人は価値が低い=報酬が低い、と評価される。財の交換で成り立つ資本主義経済では当然にように思える価値観だが、果たしてそれは正しいのだろうか。

メールの返信は、仕事そのもののスピードに直結する。

仕事ができる、できないを評価しようとするとき、様々な観点から評価を行うが、誰にとっても最も公平で、どのような仕事でも使える評価方法というのは、仕事にかかった時間ではないだろうか。

経営者はよく「生産性を高める」とか「日本人のGDPにおける労働生産性が世界各国と比べて著しく低い」などと話しているをよく見かける。

同じ仕事をしているAさんとBさんがいて、どちらに依頼しても同じレベルのクオリティがくるような場合、より速く仕事の結果を返せる人が高い評価をされる。

実は、この仕事の評価をしようとするとき、日常でもっともわかりやすいのはメールの返信速度をみることだ。

メールというのは非同期なコミュニケーション方法で、一般的な電話や日常会話でのコミュニケーションとは明らかに性質が異なる。メールは24時間いつ送ってもあなたの自由だし、メールの受け手も、受け取ったメールをいつ読むかも自由だ。

どちらも、自分の都合に合わせて行動ができるのが、非同期コミュニケーションの最大のメリットであるが、状況によってはこれがデメリットにもなり得る。

たとえば、あなたが仕事の関係者にメールを送ったとする。ちょっとした依頼のメールだ。それ程急いではいないが、そのメールの返信結果によって、次の仕事でやるべきことが決まるので、なるべく早く返答があれば仕事が速く進むといった状態だ。

1日経っても返信がないので、リマインドや再送をする。しかし、あなたがこまめに連絡をしても返信は一向に返ってこない。返信がなければ相手にどう届いているのか、見ているのか、誤解はないか、こちらには一切の情報が入ってこない。そして、その待ち時間はタスクが止まる。大組織におけるメールのやり取りの至急、大至急、緊急、早急、どれが一番優先順位が高くなるかにも通ずるところがある。

はじめのうちは「相手も様々な仕事をしているから、忙しいのだろう」と思うだろう。もしかしたら、実際に忙しいのかもしれない。しかし、それは相手本人にしかわからないことだし、相手が複数抱えている仕事に対してどういう優先順位をつけているかもわからない。

1人、2人なら実際のところそういう可能性もあり得るし、個人差ということで片付けられる。しかし、1人2人ではないのである。10人いたら7人が遅いというレベルである。

これだけの人数がみんな同じような時間感覚で動いているのだろうか?

それともこれは、たまたま起こることなのだろうか?

現象の背景には何らかの理由がある、と思ったほうが良い。推測するに相手にとっては、仕事自体の優先順位が高くないのである。それよりも、今一緒に仕事をしているメンバー、家族、その他のことに時間を使いたいのだ。やりたいがより優先すべきことがある。

時間のリソースは絶対量であるから、リソースを消費するタスクの優先順位は相対的になる。最優先すべきことに時間を取られ、他に手が回らない。事実、サラリーマンをやっていたとき私自身もそう考えていた。可処分時間は多くなかったし、上手くコントロールもできていなかった。

ただ、今になってみるとわかることがある。

「仕事や取引、利害関係がない関係性こそ、本当は大事にしなきゃいけないんじゃないか」と。

一般的な常識とは異なることを言っているのは重々承知の上だ。極端な反論で言えば、「筆者は報酬をもらっている契約よりも、ただ働きを優先しろと言っている」ともとられかねない。

ここで考えてみて欲しいのは、利害に関係なくあなたに協力してくれる人(=わかりやすく言えば、無償であなたを手伝ってくれる人)は、いったい何人いるだろうか?ということだ。

利害に関係なくあなたを応援してくれる人、あなたに協力してくれる人は何人いるだろう?

もし幸運にもそういう人があなたの周りにいたとしたら、その人達はなぜあなたに協力してくれるのだろう?

きっとそれこそが、その人自身が持っている本当の価値なのではないかと度々実感する。

追記:
書いた後に気づいたことだが、こちらのエントリでも同様のことが指摘されている。参考にしてみて欲しい。

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